日本人の死因第1位は…
日本人の死因についてご存知ですか?
令和元年(2019)の厚生労働省の「人口動態統計」によると、日本人の死因の1位はがん(悪性新生物)です。がんは、1981年から39年連続1位となっています。
がん治療の進歩により、がんは治る時代と言われていますが、それでも、2019年のがんによる死亡率は304.2%で、全死因の27.3%を占めています。
2位は心疾患で、3位肺炎、4位脳血管疾患と続いていますが、がんと心疾患では死亡率に倍近い開きがあり、これからも悪性新生物が1位を継続していきそうです。
では、がん部位ごとの死亡数トップ3をご説明いたします。(参考:2018年国立がん研究センター・がんの統計 ‘19)
1位:肺がん
肺がんは、喫煙が関与しているとされ、50歳を超えると、急激に発症率が増加します。
喫煙者は非喫煙者に比べると、男性で4.4倍、女性で2.8倍も肺がんの発症率が高いです。受動喫煙についても影響の大きさが問題視されており、たとえ非喫煙者であっても、周囲の人がタバコを吸う環境にいる方は注意が必要です。
40歳以上の方は年に1回の肺がん検診受診をおすすめします。
2位:大腸がん
大腸がんは、食生活や高齢化などとの関わりが深いとされています。
初期段階では、自覚症状がほとんどなく、進行が遅いことが特徴です。
40歳を過ぎると発症率が高まります。
大腸がんは早期に発見できれば高い確率での治癒が期待でき、治療後の5年生存率も高いので、年に1回の大腸がん検診(大腸内視鏡検査・便潜血検査)が望ましいです。
3位:胃がん
胃がんは、ピロリ菌の感染や喫煙、その他高塩分食品摂取などが発症率を高めます。50歳以降に罹患する人が多い傾向にあります。早期の胃がんは自覚症状がないことが多いですが、胃の痛み、不快感、食欲不振、食事がつかえるなどの症状が出ることもあります。
胃がん検診は、50歳以上の方が対象となっています。検診の間隔は2年に1度ですが、上記のような気になる症状があるときには、検診を待たずに医療機関を受診しましょう。
《その他女性特有のがん》
【乳がん】
女性の乳がんは、女性特有のがんの中では最も発症率が高いがんです。
乳がん発症には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっており、発症率は40代後半にピークを迎えます。
40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けましょう。喫煙も発症に関与するので、ご自身が喫煙者の場合は、30代の場合でも、検診を早めに任意で受けてみてもいいでしょう。
【子宮頸がん】
子宮頸がんは、多くの場合、性交などによるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が影響しているとされます。30代後半~40代に多く発症しますが、20代の女性でもかかりやすいです。
検診によって発見しやすく、早期に発見すれば比較的治療しやすいとされています。初期に発見できれば治癒率も高まり、子宮を温存することや治療後の妊娠も可能なことから、定期的な検診が非常に重要となります。
20歳を超えた女性には、2年に1度の検診が推奨されています。
今回は日本人の死因として最も多いがんについて少しご説明しました。
私たち日本人の死因について知ることは、万が一の時への備えにもつながります。
特にがんが心配であれば、がん検診や人間ドック等を受けることをおすすめします。
がん予防には、禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、運動、
がいいとされています。
経済的備えとしては、がん保険やがん保障の付いた医療保険に加入することや、三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)へ備える医療保険などに加入するのも選択肢の一つです。
もちろん、保険に頼らず貯蓄で備えることもできます。
もしもの時のために、人生100年時代に対応した安心の備えをしておきましょう。