人生100年時代 あなたの公的年金はいつから受給?
60歳を過ぎると、日本年金機構からのお便りが随分増えると感じるかたは多いでしょう。
誕生月に届くねんきん定期便に加えて繰り上げ受給の案内、
特別支給の老齢厚生年金のアンケート、アンケート提出後の決定通知書等、
様々なお知らせと共に重大な決定をする必要がでてきます。
公的年金の繰り上げ・繰り下げについては多くの方が周知されていると
思いますが、再度復習の意味も兼ねて2022年からの改訂もご紹介しながら
年金受給のチェックポイントを解説します。
まず公的年金の繰上げは65歳の受給開始年齢を1ヶ月単位で最長60歳まで
(60ヶ月)繰上げる制度です。
1ヶ月あたり0.5%の減額率ですので60ヶ月で30%が減額されます。
この場合、年金を5年早く受け取る代わりに70%の受給率で年金生活を
選択することになります。
ここで気になるのは、60歳から繰上げ受給した人の受取り総額について、
75歳までは65歳受給開始の方よりも上回っていましたが、76歳を過ぎると
下回るということです。
ここで2022年からの改訂に少し触れます。
この改定によって繰上げ受給の減額率が1ヶ月あたり0.5%(現在)から
0.4%に引き下げられます。ということは60歳受給の減額率30%が
24%におさえられ、受給率が70%から76%に増えることになります。
次に公的年金の繰下げは、受給開始年齢を1ヶ月単位で最長70歳まで(60ヶ月)
繰下げる制度です。
1ヶ月あたり0.7%の増額率ですので60ヶ月で42%増額できます。
この場合、年金を5年遅く受け取る代わりに142%の受給率で年金生活をする
ことになります。
遅らせた分長生きしなくてはと思われる方が多いと思いますが、
70歳受給を選択された方の受け取り総額は、81歳時点で65歳
受給開始の方より上回ります。
平均寿命より早く逆転するんだと思われる方も多いのではないでしょうか?
ちなみに今回の改訂で増額率は増えませんでしたが、増額となる期間が
75歳まで延長となります。
ということは最大で10年間繰下げることができ、
増額率は0.7%×120ヶ月=84%増になります。
65歳受給開始予定であった年金の184%の年金で75歳から生活する
という訳です。
いかがですか?この繰上げ・繰下げを頭に入れながら長寿化の
課題である働き方や資産計画を考えてみてはいかがでしょうか。
ところで
1990年生まれ(2055年に65歳)の女性の20%が100歳まで長生きする。
19500年生まれ(2015年に65歳)の男性の35%、女性60%が90歳まで
長生きするというデータがあります。
人生100年時代はもう他人事ではなく自分事です。
これらの年金や長生きデータを基に
何歳まで働きますか?何歳から公的年金を受給しますか?
この解は自分自身の生き方にあります。
人生後半は長いため、働き方と老後資金の計画は自分自身で
予め決めておかなければならないのです。
60歳を過ぎると、働いているか働いていないか、健康かそうでないかに
関わらず日本年金機構から年金はどうしますか?と連絡があります。
そんな時のために働き方と自身の老後資金についてはしっかりした
プランを立てておく事が必要でしょう。
最後にもう一度お尋ねします。
①何歳までに働き続けますか?(65歳、70歳、75歳…)
②老後の生活費はいくら必要ですか?
③セミリタイアしたら何をしたいですか?(趣味・家族・夢)
75歳の自分は何をしてますか?その時幸せですか?