歯の健康は寿命につながる
“8020”運動
この言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この活動は、1989年から厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」というものです。
こちらの活動には「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いがこめられています。
“8020”運動開始当初の達成率はわずか7%でしたが、2017年には51%まで上昇しております。
実際に歯の健康と身体の健康はどのように関係しているのでしょうか。
歯を失う原因で最も多いとされているのが歯周病といわれております。
初期の状態を含めると、成人の80%が歯周病にかかっているといわれ、歯周病は歯への影響のみではなく、認知症・糖尿病・心臓疾患など様々な全身病と関連があるといわれています。
また、歯周病によって、歯がなくなってしまったり、歯が弱くなることで、噛む力がなくなることはそれ自体が、認知機能の低下のリスクにつながるとされています。
ある研究結果によると、歯が20本以上残っている人に対し、歯を失った人の認知症発症リスクは最大約1.9倍。
同様に、転倒リスクは約2.5倍も上がるという結果が出ているそうです。
より元気な高齢者でいるためには、できる限り自分自身の歯を保つということが秘訣になりそうです。
歯を失っても、入れ歯を使用し、かみ合わせをしっかり回復させれば、認知症予防につながり、また健康寿命を延ばすことにつながるということが言われてはおりますが、8020達成者は非達成者に比べて生活の質(QOL)を良好に保ち、社会活動意欲があることや、残っている歯の本数が多いほど寿命が長いという調査結果が出ているのも事実です。
自分自身の歯を健康に保つこと、これは健康寿命を延ばすという点においても大きなポイントになりそうですね。
長い人生、1日でも長く自分の歯で美味しいものが食べられるように、さらに、1日でも長く健康寿命を延ばせるように、毎日の歯磨き習慣を見直してみてはいかがでしょうか。