少子化対策の切り札⁉「N 分 N 乗方式」とは・・・
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「N 分 N 乗方式」とは、
フランスが戦後の人口減少に歯止めをかけるため
1946 年より導入した所得税の課税方式のことです。
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昨今、日本の少子化対策として新たな税制を求める声が与野党内で広がりを見せています。
子どもが多い世帯ほど所得税負担が軽減する「N 分 N 乗方式」の言及が
国会で相次いでおり、「少子化に効果あり」と、
一部の有識者や政治家から導入を望む声がある一方で、
「金持ち優遇制度」や「片働き世帯に有利」という懸念が指摘されています。
夫婦と子どもの世帯を構成する家族全員の収入を合算し、
その人数(N)で割った金額を一人当たりの収入とみなして各種控除を適用し、
一人当たりの納税額を算出します。
その税額に世帯人数(N)を掛けて世帯の納税額が決定する方式です。
累進税率の所得税では、所得を分割した方が適用する税率は低くなります。
子どもの数が多ければ多いほど、より低い税率が適用され、税額も少なくなります。
子どもを多く持つ、動機付けになると考えられています。
◆「N 分 N 乗方式」のイメージ(夫婦 + こども2人の4人世帯)
①共働きケース(夫:400 万円 + 配偶者:200 万円 共に課税所得金額)
現在の税制:所得税の夫婦納税額合計は 475,000 円
N 分 N 乗方式:所得税の納税額合計は 307,500 円
差額:▲167,500 円
②片働き世帯ケース(夫:600 万円+配偶者:0 円)
現在の税制:所得税の納税額合計は 772,500 円
N 分 N 乗方式:所得税の納税額合計は 307,500 円
差額:▲465,000 円
「片働き世帯」に有利(減税額が約 30 万円も多い)であり、
不公平感があると言われています。
ですが、同じような世帯構成、同額の家族所得で、
約 30 万円も納税税額が多い、現在の所得税制度の方に
不公平感があるのではないか?とう声も上がっています。