傷みやすい夏の食事~食中毒にご用心~
夏に気を付けたいのは熱中症、そして「食中毒」。
夏は食べ物が傷みやすく、お弁当を持参して会社や学校に向かう方は特に注意が必要です。
そこで、梅雨から9月頃にかけて高温多湿な状態が続く夏に、今日からできる食中毒対策をしましょう。
夏の食中毒は細菌性食中毒
食中毒の中でも、夏に起こりやすいのは細菌性食中毒と言われ、腹痛や嘔吐、下痢、発熱などを引き起こしやすいとされています。
しかしながら、食中毒を招く細菌が増殖しても、食べ物の見た目や味、匂いが変わりにくいと言われています。そのため、無意識に口に運んでしまい、食中毒を起こしてしまうケースが多いそうです。
細菌性食中毒を引き起こす細菌にはそれぞれ特徴があります。
- 体内で細菌が増えて食中毒を引き起こす「感染型」
- 食品中で細菌が増殖し毒素を産生する「毒素型」
- 体内で細菌が増殖して毒素を産生し、食中毒を起こす「生体内毒素型」
…の3つに分けることができます。食中毒の発生の仕方に注目し、特徴を知った上で食中毒を防ぐことが重要です。
食中毒発生状況を見ると、平成13年では約1,900件もの食中毒が発生していたそうです。そこから年々減少傾向にありますが、平成27年ごろから増加傾向に向かい、平成30年では約1,300件もの食中毒が発生しているそうです。
増える食中毒に気をつけたいですね。
食中毒予防の3原則
食中毒を発生させないためにも、食中毒予防の3原則を意識しましょう。
- 「付けない」=食べ物や調理に使った包丁・まな板などをよく洗う。別々に洗うなどで細菌を付けない。
- 「増やさない」=細菌を増やさないためにも、生鮮食品は早く調理し、食べる。冷蔵庫や冷凍庫で保存する。消費期限をきっちり守る。
- 「やっつける」=細菌は熱に弱いため、十分に加熱し消毒する。
家庭で出来る食中毒の予防・対策
食中毒は飲食店での発生件数が最も高いです。しかしご家庭での食中毒発生件数も高く、特に一人暮らしのご家庭では高い傾向にあります。
そこで、家庭でできる食中毒予防として、
- 生鮮食品は新鮮なものを選び、すぐに冷蔵庫へ入れる。
- 肉・魚・野菜などは別々に保管し、早めに食べる。
- 手や調理器具は食材が変わるごとによく洗う。
- 加熱する際は中心部までしっかり焼き、75度以上、1分以上加熱する。
- 調理後、長時間常温で放置しない。
- 残したときは清潔な食器に移し、保存する。
これらのポイントをしっかり守ることで食中毒を防ぎ、楽しく健やかな食生活を送ることが大切です。
また、抗菌・防腐作用のある梅干しやシソ、ネギ、ニンニク、ショウガ、ワサビなどの食品は食中毒を防ぐには効果的です。また、豚肉に含まれるビタミンB1は免疫力を高める効果があります。食材も工夫することで、食中毒を防ぐことができます。
夏を快適に過ごすために食事や家事でのポイントを踏まえて、食中毒を予防しましょう。