生きがいと介護 ~健康と幸福の鍵~
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今回は、生きがいと介護の関係についてのお話です。
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生きがいは、人生の質を高め、介護予防にも寄与することが
最新の研究から明らかになっています。
「生きがい」とは、生きていて満足感や充足感を得られること、
生命に意味や価値を見出すことを指します。
生きがいの源は人それぞれ異なり、
仕事、プライベートの人間関係、家族の団らんなど、
多くの要因によって形成されます。
一方で、生きがいを感じない、
必要ないと思っている人もいるかもしれません。
ところが、ある研究によれば、生きがいと介護には
密接な関係性があるという報告があります。
2010年に実施された海外の研究では、
平均80歳の男女900名を対象に調査がされました。
結果は驚くべきもので、生きがいを感じている人は、
生きがいを感じていない人と比べて、介護が必要になる確率が
約60%も減ることが判明しました。
また、生きがいは介護のリスクを低減させるだけでなく、
死亡率にも関連していることが示されています。
2016年にはアメリカの医学雑誌「Psychosomatic Medicine」で、
「生活のなかで高い目的意識を持っていることは、
死亡率のリスクの減少と関連している」
との研究結果が掲載され、
「生きがいを持つ人は、持たない人の5分の1の死亡率であった」
と発表がされました。
2018年の別の海外調査でも、高い目的意識を持つ人は、
心血管疾患や死亡リスクが低く、
寿命や健康寿命が長いことが示されています
なぜ生きがいがこれほどまでに重要なのか、
その詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが、
前向きな生き方をする人は、身体の活力や回復力が高まり、
ストレスが低減し、精神的な健康に寄与する可能性があるため、
長寿につながると考えられています。