「社員にお金について学んでほしい」「資産形成を支援して、将来の不安を減らしてあげたい」企業が金融経済教育に取り組む背景には、こうした思いがあるはずです。しかし、専門的な内容の研修は、「難しそう」「自分には関係ない」と敬遠されがちです。

何事も、ただ知識を詰め込むだけで終わらせてしまうと、その効果は一時的なものになってしまいます。そこで重要になるのが、研修で得た知識を社員の「自分ごと」にするための「きっかけ」、つまり金融経済教育と連動した社内イベントです。

研修後のイベントは、知識を「知る」だけでなく「使う」「深める」ための場です。これにより、金融経済教育は社員の心に根付き、会社と社員の双方に大きなメリットをもたらす相乗効果を生み出します。

 

 

相乗効果がもたらす「会社」メリット

金融経済教育と社内イベントの組み合わせは、社員のエンゲージメントや生産性向上に直結します。

 

1.組織のエンゲージメントの向上

社員のエンゲージメントは、企業が成長するためには不可欠な要素です。金融経済教育に社内イベントを組み合わせることは、社員の会社に対する信頼感を高め、エンゲージメントの向上につながります。

「会社は私たちの将来を真剣に考えてくれている」と感じられることで、社員は会社への愛着や帰属意識を強めます。これは、単なる福利厚生ではなく、社員の人生をサポートする重要な取り組みとして認識されるため、社員満足度だけでなく、企業そのものをより良いものに変えていく力があります。

 

2.働きがいと生産性の向上

人生の三大資金（教育資金、住宅資金、老後資金）など、将来への漠然としたお金の不安は、仕事への集中力を低下させる原因になりかねません。

金融経済教育と社内イベントを通じて、社員は自身のライフプランを具体的に描き、将来の不安を軽減できます。これにより、精神的な安定を得て、目の前の業務に集中できるようになります。結果として、社員一人ひとりの生産性が向上し、組織全体の業績アップにも貢献するのです。

 

3.優秀な人材の確保と定着

「社員の幸せ」を本気で考える企業姿勢は、採用活動においても大きな強みになります。金融経済教育とそれに派生する社内イベントは、単に高い給与や待遇だけでなく、キャリア形成やライフプランまでをサポートする企業として、優秀な人材を惹きつけます。

また、既存の社員が「この会社で働き続きたい」と感じる要因にもなり、離職率の低下にもつながります。社員の定着は、企業の安定的な成長を支える基盤となります。

 

 

相乗効果がもたらす「社員」へのメリット

社内イベントを通じて、社員は金融知識を「使える」スキルに変えることができます。

 

1.知識の定着と実践

インプット中心の研修は、時間が経つと内容を忘れがちです。しかし、社内イベントで知識をアウトプットする機会を設けることで学びは情報から「自分ごと」へと変わります。これにより、社員は「いつまでいくら貯めるか」「どの制度を使うべきか」といった具体的な行動計画を立てられるようになり、金融知識を実生活で活かす力が身につきます。

 

2.コミュニケーションの活性化

金融経済教育の社内イベントは、役職や部署を超えた社員同士の交流を促します。

お金の話はデリケートなテーマですが、ゲームやワークショップ形式にすることで、肩の力を抜いて話せる雰囲気を作れます。「老後の不安ってありますか？」「住宅ローン、どうやって選んだのですか？」といった日常の雑談から、お互いの価値観や経験を共有し、社内のコミュニケーションをより活性化させます。

 

3.将来への安心感を高める

お金に関する不安は誰しもが抱えるものです。しかし、正しい知識を身につけ、将来の計画を立てることで、その不安は「安心感」へと変わります。

 

「金融経済教育をやってよかった」と心から思えるには、社員が行動するきっかけを作ることが重要です。

そのためには、金融教育を単発の研修で終わらせず、社内イベントを組み合わせた一連のプログラムとして計画することが成功の鍵となります。まずは、社員が興味を持ちやすいテーマや形式から始めてみてはいかがでしょうか。

社員の人生を豊かにする金融経済教育は、組織の成長にもつながる投資です。ぜひ、社員の笑顔が溢れるようなイベントを計画してみてください。