忘れがちな確定申告項目とは?
1月も中旬となり、確定申告の時期が近づいてきましたね。
年末調整では、還付を受けることができない所得控除は、確定申告で申請しなければなりません。
確定申告を行う必要がない人でも、確定申告をすることで税金の還付を受けたり、税金を払わずに済む場合があります。
必ず申告をしなければならないわけではありませんが、申告をしないと税金の還付を受けることができませんので、しっかり確認しておきましょう。
会社員は、各種控除について会社が年末調整をしてくれるので、原則として確定申告をする必要はありませんが、
①医療費控除、②寄付金控除、③雑損控除については、年末調整で申請することができないので、自分で確定申告をする必要があります。
①医療費が通院費を含めて10万円以上なら「医療費控除」
申告者自身や家族の医療費を10万円以上支払った人は、医療費控除の対象となることがあります。
この場合、自分自身の医療費だけでなく、生計を共にする家族の分の医療費も対象となります。
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②災害や盗難などにあったら「雑損控除」
雑損控除は、災害や盗難、横領などで資産に損害を受けたときに、所定の金額から控除することができます。
損害の額が多く、その年の所得から控除しきれないときは、翌年以降3年間にわたり繰り越して所得から控除することができます。
雑損控除で控除できる金額は、次の2つのうちいずれか多い方の金額です。
・差引損失額-総所得金額等×10%
・差引損失額のうち災害関連支出の額-5万円
差引損失額とは、損失を受けた金額から損害保険金などで補てんされた金額を引いた額のことです。
なお、災害で損失を被った場合は災害減免法の適用を受けることができます。雑損控除と災害減免法は同時に適用を受けられないので、どちらか有利なほうを選択することになります。
③寄付したら「寄附金控除」
都道府県や市区町村などに寄付をすると、寄付金控除を受けることができます。
ふるさと納税など、控除対象となっている寄付を行った場合には、寄付金控除の対象となります。
一般的に知られているふるさと納税は、所得税軽減だけでなく、寄付先から特産品などが送られてくる制度です。
ふるさと納税については、平成27年度から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入されたため、サラリーマンなどの給与所得者で、ふるさと納税の納付先の自治体が1年間で5つまでの人であれば、確定申告をする必要はなくなりました。一歩で、確定申告が必要な場合にはワンストップ特例制度は利用できないので、確定申告において寄付金控除の申請が必要です。
また、年末調整では、「扶養家族が増えた」「マイホームを取得した」「配偶者と死別または離婚した」など、納税者の個々の事情に合わせ、税額の負担を調整されます。しかし、これらの事情があったにも関わらず、年末調整の際に書類を提出し忘れていた場合などは、確定申告をすることで、税金を取り戻すことができます。これを「還付申告」といいます。年末調整の際に申請を忘れた場合でも、還付申告をしてしっかりと節税しましょう。
また、今の時期、税務署に行くのは、避けたいという方が多いのではないでしょうか。
確定申告は、税務署に行かなくても、マイナンバーカードとのスマートフォン(マイナンバーカード読取対応のもの、またはICカードリーダライタ)の用意があれば、自宅からでもネットで提出できます。
詳しくは、国税庁のホームページをご覧ください。
所得控除は、意外と見落としがちです。確定申告や還付申告をすることで、返ってくるべき還付金がないか、一度確認してみましょう!