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不老長寿の最先端   〜健康には変化の津波が起きている〜

人生の時計の針。どんな億万長者でも、貧しくても、誰も逃げられなかった「老化」。それは自然が与えた運命であり、人間の手ではコントロールできないと考えられてきました。記憶力は低下し、身体は衰え、さまざまな病気に悩まされる。そして80歳を過ぎると、多くの人には人生の終わりがやってくると。

しかし2021年の現在、老化を研究するサイエンティストの一部は、「老化とは、病気である。だから治すことができる」と考えています。そこには巨大なビジネスチャンスが育ち始め、世界の企業や投資家が押し寄せています。そして“劇的に人の寿命を伸ばすことが、ゴールだ。不老不死とは言わないまでも、100歳まで延ばすことはできる”、“これから健康寿命が20年〜30年延びる。それは21世紀最大のビジネスチャンスがやってくるということだ”、“既存のテクノロジーだけで、健康な100年の人生は約束されている。そこではGoogleやMicrosoftが新しい景色を作る”などと言われています。

実は、老化のプロセスは、多くの病気に深く関わっています。がん、脳卒中、心臓疾患、糖尿病、認知症、etc。そして、老化の治療はそれらを防ぐための「秘密兵器」になると考えられています。このメガトレンドの牽引役の一人が、新しい「老化の情報理論」を掲げるデビッド・シンクレア教授です。「もう老化を運命として、だまって受け入れる必要はない。その根本のメカニズムは極めてシンプルだからだ。」シンクレア教授は、老化を治せる病気だとして研究発表をしています。

人間が、健康なまま120歳まで生きられる時代は、思っているよりずっと早く来ることになりそうです。「寿命の上限があるとは思わない」というのが老化研究者の多くの意見です。

日本人の健康寿命は男性72.6歳、女性75.4歳で、その後は病気や不具合に悩まされることが多くなります。高齢になるにつれ、さまざまな特徴や症状が積み重なってゆき、容姿では白髪やシワが増え、健康面でも糖尿病やがん、心臓疾患が急増し、その都度治療が必要になります。あらゆる病気の基である老化を治さない限り、個別の悩みに対応をし続けることになります。

どうして、人間は老いるのでしょうか?その理論がなければ根本治療はできません。現代までにさまざまな研究結果が発表され、老化について述べられてきましたが、現代のシンクレア教授のファイナルアンサーは、“老化とは「情報の損失」である”との結論です。簡単に言うと、遺伝情報(DNA)を操るエピゲノム情報の損失を正しく維持できれば、老化を防ぐことができるとの考えなのです。エピゲノム情報は、酵素「サーチュイン」を可能な限り活発にすることで正しく維持することができます。このサーチュインを活発にする方法として挙げているのが、運動・食事制限、NMN、サプリメントです。ポイントは、細胞が持っている遺伝情報は消えては

なく、あくまでもエピゲノムの働き方を正しくすることで老化のプロセスは劇的に抑えられることができるということです。いま老化の世界にはイノベーションの津波が起きていて、今後さらに新しい抗老化が登場すると言われています。生体情報をウェアラブルで監視し、AIと遠隔診療が治療を早め、長寿化遺伝子の活性薬やサプリが遺伝子の老化を防ぎます。

私たちがこれから目にする健康の概念は、大きく変わろうとしています。健康で過ごす100年の未来は、もう目の前にあるのです。

 

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