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日本人がやりがちな「寿命を縮める」3大悪習慣

「人生100年時代」という言葉は聞き慣れて久しくなりましたが、ほとんどの人は未だ100歳まで生きられません。

一方で、1990年生まれの女性で20%の人が100歳まで生きるというデータが最近発表されました。また、直近では2021年9月15日現在日本の100歳以上の方は86,510人で、100歳以上生きる高齢者は年々増えているのも事実です。

しかし100歳まで生きられる人は、健康に気遣った「良い生活習慣」を送った上で、進歩した医療や科学技術を享受できる人です。たとえば、糖尿病、高血圧症、過度な肥満など、生活習慣病を抱えた人が、90歳や100歳まで生きるのはかなり難しいといえます。

また平均寿命に対して、「健康寿命」という考え方があります。大きな病気を抱えることなく、生活に制限を受けずに生きられる期間が「健康寿命」です。病気で入退院を繰り返したり、要介護状態になったりせず、幸せな老後を過ごすためにも、今回は「不健康で早死にする人」と「健康で長寿な人」の差について考えてみます。

健康寿命を伸ばすためにどんな習慣が必要か、どんな悪習慣を優先して改善すべきかを、メンタル面の健康も考慮して精神科医の意見を参考にお話しします。では「日本人の健康寿命を削る習慣」3つのポイントをご紹介します。

【第3位 運動不足】運動習慣が健康に与える影響はかなり大きいといわれています。運動習慣のある人は死亡率50%、がんは30%リスクを減らせるそうです。裏を返せば運動不足の人は、正常な人の2倍以上の病気リスクを抱えているということです。しかし「健康のために運動してください」と言っても「時間がありません」と答える方も多くみえます。しかし、ハードルの高くない「1日20分の早歩き」だったらどうでしょう。私も1年前から取り入れており、朝夕の通勤時間と会社でのウオーキングマシンで約20分早歩きしています。この運動によって、コロナ太りから解消されたことに加え、1日20分(週に約150分)で4年半の延命効果も得られるそうです。

【第2位 「孤独」】「孤独と健康には、関係があるの?」と疑問に思う方も多いかも知れませんが、精神科医の分析で孤独が健康に与える悪影響は甚大だと発表されました。「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」といいます。この孤独の死亡リスクは、1日15本の喫煙に匹敵するそうです。また、過度の飲酒(アルコール依存症)の2倍、運動不足と肥満の3倍も健康に悪いそうです。「孤独」で老後を迎える人と正常者との比較では死亡率が1.3倍~2.8倍になるそうです。寿命に影響力の高い「孤独」をどのように感じますか?家族と同居していても繋がりを感じなかったり、飲み友達が多くてもいざというときに相談できる友人がいなければそれも孤独かも知れません。少子高齢化がさらに加速する日本では、高齢者も若年層も単身世帯が増加して孤独に悩む人が増える傾向にあります。もし健康に100歳まで過ごしたいなら「健康的につながりを求める生活」を心がけたいですね。

【第1位 睡眠不足】睡眠不足の悪影響が現れてくるまでには、10年、20年以上の年月を要するため時間差でジワジワと悪影響が訪れる非常に怖い悪習慣です。ある研究によれば、睡眠時間が6時間未満の人は、正常な人と比べて、がんが6倍、鬱病が5,8倍、自殺率が4,3倍もリスクが高いという結果が出ています。最近では、睡眠中にアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ蛋白が脳に中で洗い流される事がわかりました。つまり睡眠不足の人はアミロイドβ蛋白が洗い流せずドンドン溜まっていくため、認知症のリスクがとても高いといえます。そのため、10年、20年先も健康的に長生きしたければ、きちんと眠ることをおすすめします。睡眠時間が6時間未満だと睡眠不足であり、健康のためには「7時間以上の睡眠」が必要だと覚えておきましょう。

以上が「寿命を削る3つの悪習慣」です。まずは、取り組みやすい「睡眠不足」や「運動不足」の改善から取り組むことをお勧めします。健康を守るためには、できることから取り組むことが重要です。

今回紹介した「7時間以上の睡眠」「つながりを大切にする生活」「20分の早歩き」は食事制限や禁煙よりも比較的取り組みやすいものなので、ぜひ実践してみてください。