Column

コラム

従業員のエンゲージメントが業績につながる!

近年、企業経営の中で注目されているキーワードの一つに「エンゲージメント」という言葉があります。
これは、職場に対する従業員満足度や愛着や忠誠心以上に、企業の生産性と強く相関していると言われています。
ワークエンゲージメントが高まっている時の従業員は、仕事を自分事と捉え、楽しみ、組織に貢献しようと自発的な行動を取ります。言われたことだけに対応する「指示待ち」とは正反対の状態です。
そのため、いかに愛着心を持った従業員を増やすことが、企業は優秀な人材の離職を防ぐことができ、組織力を強化することにつながります。
かつての日本は、終身雇用、年功序列の背景もあり、勤続年数が昇給や昇格につながり、自身の人生と職場の成長を重ね合わせて愛社精神が強い従業員が多かったように思います。
時代が変わり、現在では働き方も終身雇用という考え方からジョブ型雇用、副業、フリーランスなど多様です。
その中で、企業に対する従業員の心の声を見える化するツールとして、サーベイ調査を実施する医院も増えてきているようです。
中でも「エンゲージメントサーベイ」は、組織のエンゲージメントを測定するツールです。
特に有名なのが、アメリカの心理学者フランク・L・シュミット博士が世論調査会社・ギャラップ社とともに開発した「Q12」という従業員エンゲージメントサーベイです。
ギャラップ社は米国最大級の調査会社ですが、その膨大な調査データの集計・分析をもとに組織開発のコンサルティングを行っています。
この「Q12」というエンゲージメントサーベイでは、企業が従業員に対して12の質問を行うことで、幸福度を図れるというものです。
その質問内容は、以下のようなものです。
↓ ↓
Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4:この1週間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれている
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場に親友がいる
Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった
 
上記の質問に5段階で答え、その結果を集計します。それにより、企業に対する従業員のエンゲージメントが測定できるそうです。
さらにギャラップ社の統計調査によると、質問への点数が上がるほど、企業の業績も比例して上昇することがわかっているとのことです。
弊社でも年に数回、従業員満足度や心身の健康を測るウェルネスサーベイを行なっています。毎回、測定後には、改善項目に対して社内施策を実施しています。少しずつの積み重ねですが、従業員にとっては、何か対策を講じようとする企業に対して信頼を寄せる者も少なからずおります。
また実際に体調面で眼精疲労や姿勢などに問題を抱える従業員が多い時には対策として、週2回、5分ほどの簡単なストレッチ体操を朝礼時に行っています。その取り組みもあり、最新のサーベイ結果では、体調面で改善が見られた従業員が多く、また社内コミュニケーションの数値も上昇しました。

職場内のエンゲージメント向上は、お金をかけてモノを揃えたりというものだけではなく、意外とコミュニケーションや社内文化などのソフト面でも十分な取り組みができます。
ぜひ、従業員エンゲージメントの更なる向上を目指してみてはいかがでしょうか。