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40代から急増~介護離職者は年間約9.9万人!?

「もし親や家族が要介護状態になったら…」

 

親の介護を理由に、これまでの働き方が続けられなくなり「介護離職」をする人が増え今や切実な社会問題となっています。

 

2018年7月中旬、総務省が発表した「平成29年就業構造基本調査結果」によると、介護をしている人は約628万人です。

このうち、仕事を持つ人は約346万人で、今や6割近い人が働きながら介護を行っています。

 

その一方で、過去1年間に「介護・看護のため」に前職を離職した人は約9.9万人です。同じ期間に離職した人のうち、1.8%が介護等を理由に仕事を辞めていることになります。

 

男女別の内訳では、女性が全体の約8割を占めています。これは大黒柱の夫に代わり妻が親の介護を担うケースが多いことが考えられます。また年代別では、その多くは40代~50代の働き盛りが直面しています。

 

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、要介護者と同居の介護者は、40歳代から増えはじめます。

そして、50歳代が約2割、60歳代が約3割と最も多くなってはいますが、70歳代以上も4割近くを占めています。離職者の増加だけでなく、高齢者が高齢者を介護する 「老老介護」も増加しており、状況はより深刻化しています。

 

介護は突然始まり、いつまで続くか分からないものです。継続的な介護には、心身の負担とともに経済的な負担が重くのしかかります。介護をしながら働く場合、フルタイムでの勤務が難しいから…という理由で転職をする人も少なくありません。

しかしながら、介護離職をして、他の仕事に転職したり、しばらく失業状態で過ごすことは収入減にも繋がります。

 

民間の調査会社が、親の介護経験のある全国の正社員約2,300名を対象に、介護転職をした後の年収の変化を調べたところ、介護開始前と転職直後を比較すると男性で約40%、女性は約50%も減収したそうです。

このことからも介護に直面しても、できるだけ離職せずに経済的な基盤を維持しながら介護を続けることが重要となります。

 

誰もに起こりえる大切な家族の介護。

「人生100年時代」の今、親や家族の介護が終わった後、自分の人生の方が長い可能性が高いということを、しっかりと見据えておく必要があります。そしてこれからは、通常のライフプランニングに加えて、自分や家族の介護もふまえて考えることが求められてくるのではないでしょうか。

 

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