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年金の繰り上げ・繰り下げ受給はどっちがお得?

原則65歳から受け取れる「国民年金」。受取時期を変更できることをご存知ですか?

もし年金の受取時期を変えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ニュースで話題の「75歳からの繰り下げ年金」を踏まえてチェックしましょう!

 

■繰り上げ受給

65歳から受け取れる国民年金を、60歳から変更して年金を受け取る方法を「繰り上げ受給」といいます。

繰り上げ受給を請求した場合、ひと月分0.5%ごと年金が減額されます。その減額率は一生変わりません。

 

65歳から繰り上げ受給をした場合の減額率

 

年齢 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳
減額率 -30% -24% -18% -12% -6% 0%
受給年金(例) 7.0万円 7.6万円 8.2万円 8.8万円 9.4万円 10.0万円

 

 

■繰り下げ受給

繰り上げ受給に対して、国民年金を65歳から70歳の間で受け取る方法を「繰り下げ受給」といいます。

繰り下げ受給を請求した場合、ひと月分0.7%ごと年金が増額されます。その増額率は一生変わりません。

 

65歳から繰り下げ受給をした場合の増額率

年齢 65歳 66歳 67歳 68歳 69歳 70歳
増額率 0% +8.4% +16.8% +25.2% +33.6% +42.0%
受給年金(例) 10.0万円 10.84万円 11.68万円 12.52万円 13.36万円 14.2万円

 

 

■繰り上げ受給と繰り下げ受給、どっちがお得?

例え毎月の受給額が少なくなっても、早く受け取れる「繰り上げ受給」の方がお得に感じるかもしれません。しかし、気をつけてほしいポイントは、

どちらも「減額・増額率が一生変わらないこと」です。

 

60歳の4人に1人は95歳まで生きると言われている「人生100年時代」にある超長寿国、日本。

もしもあなたが、長生きした場合を考えてみましょう。

 

繰り下げ受給は年金を遅く受け取る分、毎月の受給額が多くなります。

つまり長生きすればするほど、

繰り上げ受給をした場合や、基準の65歳で受け取った場合に比べ、

より多く年金を受け取ることが期待できます。

 

以下の表を参考に、年金の繰り上げ・繰り下げ受給の開始時期を確認しましょう。

65歳を基準とした場合の年金受給額の損益分岐点

(損益分岐点とは、その収益・損失がちょうど重なる部分)

受給開始 損益分岐点
60歳 76歳8か月まではお得
61歳 77歳8か月まではお得
62歳 78歳8か月まではお得
63歳 79歳8か月まではお得
64歳 80歳8か月まではお得
65歳 基準
66歳 77歳10か月からお得
67歳 78歳10か月からお得
68歳 79歳10か月からお得
69歳 80歳10か月からお得
70歳 81歳10か月からお得

 

※例)61歳から年金を繰り上げ受給した場合、77歳8か月までは、65歳から年金を受給した場合と同額の年金となる。

77歳9か月以降は、65歳から年金を受け取っていた場合の方が、貰える年金が多い。

 

※例)68歳から年金を繰り下げ受給した場合、79歳10か月を超えると、65歳から年金を受給した場合より多く年金をもらえる。

 

老後も長く働きたい方や、長生きに備えたい方は、繰り下げ受給を考えても良いかもしれません。

 

■今後の傾向を踏まえると・・・・・・

さらに最近、政府は75歳まで繰り下げ受給の期間拡大を計画しており、65歳から受け取る場合に比べて受給額が最大84%になります。

もし実行されれば、今後の長寿社会においてこれまで以上にメリットを感じられそうです。

 

しかし毎月の年金受給額が増えれば税金や社会保険料の負担が増える可能性があります。

また、家族がいらっしゃる方の場合、繰り下げ受給を行うと加給年金と振替加算がもらえないなど、懸念事項も考えられます。

 

これら新しい制度を考慮しながら、

将来受け取る年金の時期と金額をご自身のライフプランに照らし合わせて、

老後について考えてみませんか?

 

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